天王寺区の中心部にある近鉄上本町駅。北に大阪城、西に難波、南に天王寺駅がありかなりの繁華街ですが、おそらく近鉄ユーザー以外はあまり馴染みがないのではないでしょうか。
上本町駅から西へ400ⅿほど行ったところに、生國魂神社という由緒正しそうな名前の神社があり、そこに作家・織田作之助と井原西鶴の銅像があります。
生國魂神社の前に、川崎孫四郎自刃の地碑と、島男也旧居碑が立っています。
「川崎孫四郎」というのは水戸藩士で、幕末に起きた桜田門外の変では大阪で連絡役を務め、その後大阪挙兵を企てるものの幕吏に捕まり、この地で自刃したそうです。
また「島男也(しまおなり)」は笠間藩(茨城県)出身の幕末の志士で、この地で暮らし道場を構えたものの、大阪挙兵を幕吏に知られて捕らわれ、江戸の小伝馬牢獄にて死去したそうです。
生國魂神社の南側は寺町と呼ばれる寺の多い地域で、その寺の間には「天王寺七坂」と呼ばれる7つの坂があります。
口縄坂を上って30号線を少し北に行ったところに、吉祥寺という少し派手な寺があります。この寺は忠臣蔵で有名な赤穂浪士ゆかりの墓だそうです。
天神坂の南側に、大坂夏の陣の際に真田幸村が戦死した場所と言われる安居神社があります。
逢坂を上った先に、はるか昔に聖徳太子が建立した四天王寺があります。
この界隈の「天王寺」という地名は、この四天王寺の略称なんだそうです。
四天王寺の東大門の東側に、小儀宮跡(おぎのみやあと)と書かれた石碑が立っています。
小儀宮は聖徳太子が四天王寺を建てた際、その周囲の守護として建てた寺社の1つだそうです。